- ◦ 目次
- ▸ 歯茎が下がってきた…よくある悩みとサイン
- ◦ 「歯が長くなった」と感じたら要注意
- ◦ 「歳のせいだから仕方ない」は大きな誤解
- ◦ こんな方は特に注意が必要です
- ▸ 歯周病で歯茎が下がる仕組みと主な原因
- ◦ 歯周病が歯茎を下げるメカニズム
- ◦ 歯周病以外にも歯茎が下がる原因がある
- ◦ 歯周病の進行度と歯茎退縮の関係
- ▸ 歯茎の悪化を防ぐセルフケアのポイント
- ◦ 正しいブラッシングで歯茎を守る
- ◦ 歯茎によいセルフケアの習慣
- ▸ 歯科での歯周病・歯茎の治療について
- ◦ 歯科で行う歯周病治療の流れ
- ◦ 歯茎を「戻す」治療はどこまで可能か
- ◦ 知覚過敏への対処も並行して行うことが重要
- ▸ よく歯科の歯周病診療へのこだわり
- ▸ よくあるご質問
- ◦ 📋 この記事のまとめ
- ◦ 歯茎の気になる変化、お気軽にご相談ください
- ◦ 監修・執筆:よく歯科 院長 伊藤 翼(いとう よく)
「最近、歯が長くなってきた気がする」「歯茎がじわじわ下がっていて、鏡を見るたびに気になる」——そんな変化に気づいたとき、それは歯周病のサインである可能性があります。
結論からお伝えすると、一度下がってしまった歯茎を完全に元通りにすることは難しいケースが多いのですが、歯周病の進行を止め、これ以上悪化させないための治療とセルフケアには明確な方法があります。また、症状の程度や原因によっては、歯茎の状態を改善できる場合もあります(個人差があります)。
歯茎が下がる主な原因は歯周病による歯槽骨の吸収ですが、誤った歯磨きの習慣や噛み合わせの問題が重なっているケースも少なくありません。早めに原因を特定して対処することが、歯を長く守るうえでとても重要です。

歯茎が下がってきた…よくある悩みとサイン
「歯が長くなった」と感じたら要注意
歯茎が下がると、歯の根元(歯根)が露出してくるため、視覚的に「歯が以前より長くなった」と感じるようになります。この状態を歯肉退縮(しにくたいしゅく)といい、多くの場合、自覚症状が出るころにはすでに歯周病がある程度進行していることがあります。
歯茎が下がっているサインとして、次のような症状があげられます。鏡で歯を確認したときに歯と歯茎の境目が以前より下にある、冷たいものや甘いものが歯にしみる(知覚過敏)、歯と歯のすき間が広がってきた、歯みがきのときに出血する——これらに心当たりがある場合は、早めに歯科を受診することをおすすめします。
「歳のせいだから仕方ない」は大きな誤解
「年をとれば歯茎は自然に下がるもの」と思っている方も少なくありませんが、これはよくある誤解のひとつです。加齢によって歯茎がやや変化することはありますが、歯周病や誤ったブラッシングが主な原因であることがほとんどです。つまり、原因に対してきちんとアプローチすれば、進行を抑えることは十分可能です。「仕方ない」とあきらめず、まず原因を調べることが大切です。
こんな方は特に注意が必要です
歯周病による歯茎の後退は、糖尿病・高血圧・骨粗しょう症などの全身疾患をお持ちの方や、喫煙習慣がある方、妊娠中・更年期の女性など、ホルモンバランスが変化しやすい時期の方に、より進行しやすい傾向があるとされています。全身の健康状態と歯周病は深く関わっており、お口の状態は身体全体の健康のバロメーターともいえます。
歯周病で歯茎が下がる仕組みと主な原因
歯周病が歯茎を下げるメカニズム
歯周病は、歯と歯茎の境目(歯周ポケット)に細菌が増殖し、歯茎や歯を支える骨(歯槽骨)を徐々に破壊していく病気です。このプロセスをステップごとに整理すると、次のようになります。
歯磨きが不十分だと、歯と歯茎の境目にプラーク(歯垢)が溜まります。プラーク内の細菌が出す毒素が歯茎に炎症を引き起こし、歯肉炎の状態になります。この段階では適切なケアで回復が期待できます(個人差があります)。
炎症が歯茎の深部に進むと、歯を支えている歯槽骨が溶けていきます(骨吸収)。骨が下がると、その上を覆っていた歯茎も一緒に下がるため、歯根が露出してきます。歯槽骨の吸収は元に戻しにくいため、この段階より前に対処することが重要です。
歯茎が下がると歯周ポケットが深くなり、奥の細菌が除去しにくくなります。するとさらに炎症が広がり、骨と歯茎がますます後退するという悪循環に陥ります。この状態を「歯周炎」といい、放置すると歯が揺れ始め、最終的には歯を失うリスクもあります。
歯周病以外にも歯茎が下がる原因がある
歯茎が下がる原因は歯周病だけではありません。日常のケアや生活習慣も大きく影響しています。
強すぎるブラッシング:「しっかり磨こう」と力を入れすぎると、歯茎の組織が傷つき、少しずつすり減っていきます。適切な力加減の目安は「歯ブラシが軽く歯面に当たる程度」です。
歯ぎしり・食いしばり:就寝中の歯ぎしりや食いしばりは、歯や歯を支える組織に過剰な負荷をかけます。気づかないうちに歯茎へのダメージが蓄積し、歯茎退縮の一因になることがあります。
噛み合わせの問題:咬合(かみ合わせ)のバランスが崩れていると、特定の歯に力が集中して歯茎や骨にダメージを与えます。
不適切な歯列:歯が外側に傾いていると、その部分の歯茎が薄くなりやすく、退縮のリスクが高まります。
歯周病の進行度と歯茎退縮の関係
歯周病の重症度は「歯周ポケットの深さ」で測ります。健康な状態では歯周ポケットは1〜2mm程度ですが、4mm以上になると歯周炎が始まっているサインです。6mm以上になると重度の歯周病と判断されることが多く、歯槽骨の吸収も進んでいるケースが多くなります(個人差があります)。定期的な歯周ポケット検査(プロービング検査)でご自身の状態を把握しておくことが予防の第一歩です。
歯茎の悪化を防ぐセルフケアのポイント
正しいブラッシングで歯茎を守る
歯茎が下がっている方が最初に取り組むべきことは、毎日の歯磨き方法の見直しです。以下のポイントを意識してみてください。
毛の硬さ:やわらかめの歯ブラシを選びましょう。かためのブラシは磨いた気になりやすいですが、歯茎を傷つけるリスクがあります。
角度:ブラシを歯と歯茎の境目に45度の角度で当て、細かく横に動かすバス法が歯周病予防に有効とされています。
力加減:ペンを持つような軽い力(150〜200g程度が目安)で磨きましょう。力を入れすぎるとかえって逆効果になります。
フロス・歯間ブラシの活用:歯ブラシだけでは歯と歯のあいだの汚れは除去しにくいとされています。フロスや歯間ブラシを毎日使うことで、歯周病の進行を抑える効果が期待できます(個人差があります)。
歯茎によいセルフケアの習慣
ブラッシング以外にも、日常生活の中で歯茎の健康を守るために取り入れたい習慣があります。
まず、禁煙です。喫煙は歯茎の血流を悪化させ、免疫機能を低下させるため、歯周病の進行を大きく早める要因とされています。禁煙することで歯茎の状態が改善する方もいます(個人差があります)。
次に、バランスのよい食事です。ビタミンCはコラーゲン生成に関わり、歯茎の組織を維持するうえで重要な栄養素です。野菜・果物・タンパク質をバランスよく摂ることが、口腔内の健康にもつながります。
また、歯ぎしり・食いしばりへの対策も重要です。就寝時に歯ぎしりの習慣がある方は、マウスピース(ナイトガード)を使用することで歯や歯茎への負担を軽減できる場合があります(個人差があります)。自分で歯ぎしりをしているか気づかないことも多いため、歯科での検診時に確認してみることをおすすめします。
「歯茎マッサージをすれば歯茎が上がる」という情報を見かけることがありますが、炎症がある状態でのマッサージはかえって症状を悪化させる場合があります。まず歯科で現在の状態を確認してから適切なケア方法を相談することをおすすめします。
歯科での歯周病・歯茎の治療について
歯科で行う歯周病治療の流れ
歯周病の治療は、口腔内の検査・診断から始まります。歯周ポケットの深さを測るプロービング検査やレントゲン撮影で歯槽骨の状態を確認し、歯周病の進行度を評価したうえで治療計画を立てます。主な歯科での治療内容は以下のとおりです。
スケーリング(歯石除去):歯と歯茎の境目に付着した歯石をスケーラーという器具で取り除きます。歯石は自宅での歯磨きでは除去できないため、定期的なプロによるクリーニングが必要です。
SRP(スケーリング・ルートプレーニング):歯周ポケットの奥深くに付着した歯石や感染した歯根面を滑らかにする処置です。炎症の原因を取り除くことで、歯茎の状態の改善が期待できます(個人差があります)。
歯周外科治療:進行した歯周病では、外科的なアプローチが必要になることもあります。フラップ手術(歯茎を切開して深部の歯石を除去する処置)や、条件によっては失われた骨を再建するための骨移植・再生療法を検討する場合もあります(適応・効果には個人差があります)。
メインテナンス(定期検診):治療後の状態を維持するために、定期的なメインテナンスが欠かせません。3〜6ヶ月に1度の定期検診と専門的クリーニングが、歯周病の再発予防に有効とされています(個人差があります)。

歯茎を「戻す」治療はどこまで可能か
下がった歯茎を戻すことへの関心は高く、多くの方から「元に戻りますか?」というご質問をいただきます。現状の医学的な見解をわかりやすくお伝えします。
✔ 改善が期待できるケース
- 歯肉炎(初期段階)の場合:適切なブラッシングと歯石除去で炎症が収まり、歯茎が回復することがある(個人差あり)
- 歯茎の腫れや浮腫みによる退縮:炎症を抑えることで見た目が改善するケースがある
- 歯肉移植術(CTG法など):外科的に他部位の歯茎を移植して歯根を覆う方法(適応・効果は個人差あり)
✖ 元に戻りにくいケース
- 歯槽骨がすでに吸収されている場合:骨の再生には限界があり、歯茎だけを上げることは困難なことが多い
- 長期間放置された重度の歯周病:進行が広範囲に及ぶほど、回復の幅が限られる傾向がある
- 強いブラッシング圧による磨耗:削れた歯茎の組織は自然には戻らないことが多い
大切なのは「戻るかどうか」だけでなく、「これ以上悪化させないこと」です。歯周病を早期に発見・治療することで、歯を長く維持できる可能性が高まります(個人差があります)。
知覚過敏への対処も並行して行うことが重要
歯茎が下がると、歯根が露出して冷たいものや甘いものがしみる知覚過敏の症状が出ることがあります。知覚過敏の治療には、フッ素塗布や知覚過敏用のコーティング材の塗布、知覚過敏対応の歯磨き粉の使用などが有効とされています(個人差があります)。歯周病治療と並行してケアを行うことが、快適な口腔環境を保つうえで大切です。
よく歯科の歯周病診療へのこだわり
広島県福山市松永町にある「よく歯科」では、地域の皆さまがお口の悩みを気軽に相談できる歯科医院を目指し、歯周病治療を含む幅広い診療を行っています。
- 17年間の口腔外科経験をもつ院長による診療:大学病院および尾道総合病院での長年の経験をもとに、歯だけでなく全身の状態を考慮した歯周病診療を行っています。
- 皮膚科(はるな皮ふ科)との院内連携:同一建物に皮膚科が併設されているため、歯科金属アレルギーや口腔粘膜疾患など、皮膚科との連携が必要な症状もスムーズに対応できます。
- 世界水準のクラスB滅菌器を導入:国内での導入数がまだ少ない高水準の滅菌器を採用し、治療器具を徹底的に滅菌しています。清潔・安全な環境での治療を大切にしています。
- 栄養療法との組み合わせ:採血などで不足している栄養素を特定し補充する栄養療法を、歯科治療に組み合わせています。歯周病と全身の健康のつながりを踏まえた、全人的なアプローチを心がけています。
- 完全バリアフリー・77台駐車場で通いやすい環境:床を掘り下げた完全バリアフリー構造により、車いすやベビーカーの方も安心して来院できます。ウォンツ福山松永店の大型駐車場(77台)もご利用いただけます。
よくあるご質問
歯茎が下がっても痛みがないのですが、受診は必要ですか?
歯周病治療は保険診療でできますか?
歯周病治療はどのくらいの期間かかりますか?

📋 この記事のまとめ
- 歯茎が下がる主な原因は歯周病による歯槽骨の吸収。進行すると歯を失うリスクにもつながる
- 一度下がった歯茎を元通りにするのは難しいケースが多いが、早期治療と正しいセルフケアで進行を抑えることは可能(個人差あり)
- 歯ぎしり・強いブラッシング・噛み合わせの問題なども歯茎退縮の原因になる
- 痛みがなくても歯周病は進行していることがあるため、気になるサインがあれば早めの受診を
- 3〜6ヶ月に1度の定期検診と専門的クリーニングが歯周病予防・再発予防の基本
歯茎の気になる変化、お気軽にご相談ください
広島県福山市松永町のよく歯科では、歯周病の検査・治療からメインテナンスまで、保険診療を主軸に丁寧に対応しています。WEB予約・自動精算機・完全バリアフリーで、どなたにも通いやすい環境を整えています。
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監修医師プロフィール

伊藤 翼(いとう よく)
経歴
2007年3月
北海道医療大学歯学部歯学科 卒業
2007年4月
広島大学病院 歯科研修医
2012年4月
広島大学病院 顎・口腔外科 医員
2015年4月
JA尾道総合病院 歯科副部長
2022年4月
JA尾道総合病院 歯科主任部長
資格・所属学会:広島大学 博士号、歯科研修指導医、日本口腔外科学会 認定医、緩和ケア研修指導医師、日本口腔科学会 認定医、日本嚥下リハビリテーション学会 認定士、日本抗加齢医学会 専門医、日本口腔外科学会、日本口腔科学会、日本緩和医療学会、日本嚥下リハビリテーション学会、日本経腸静脈栄養学会、日本スポーツ歯科医学会、日本口腔ケア学会、日本抗加齢医学会、広島県歯科医学会
※ 本記事は医療広告ガイドラインに基づき、監修のもと作成しています。治療の効果・費用・期間には個人差があります。詳細は必ず医師にご確認ください。


歯周病は、お口の中だけの病気ではありません。糖尿病や心疾患など全身の疾患と深く関わっていることが、これまでの研究でわかってきています。私はこれまでの口腔外科でのキャリアを通じて、お口の健康が全身の健康に直結することを実感してきました。「歯茎が少し下がってきた気がする」という初期のサインを見逃さず、地域の皆さまが早めに相談できる身近な歯科でありたいと考えています。保険診療を主軸に、お一人おひとりの全身状態を把握しながら丁寧に診療いたします。どうぞお気軽にご相談ください。