こんにちは。
福山市松永町の歯医者よく歯科です。
今回は、埋伏歯についてお話しします。
埋伏歯とは、顎の骨や歯ぐきの中に埋まって出てこない歯のことです。
埋伏歯を放っておくと、歯肉炎の原因や、ほかの歯がうまく生えてこない原因になります。
埋伏歯の原因や、引き起こされる症状について、一緒にみていきましょう。
埋伏歯となる原因
埋伏歯は、親知らずでよくみられる症状です。
埋伏歯となるおもな原因は、萌出の際に十分なスペースがないことです。
それ以外にも、以下のような原因があります。
・歯胚(しはい:乳歯の芽)の位置や方向の異常
・歯冠や歯根の形成異常
・歯自体に異常がある
・顎の骨に異常がある
・粘膜肥厚(鼻の粘膜の腫れによる慢性的な鼻づまりの状態)
また、埋伏歯が多数発生する場合には、先天性の異常や病気、栄養障害も原因として考えられます。
埋伏歯には、「完全埋伏歯」と「不完全埋伏歯」の2種類があります。
完全埋伏歯とは
顎の骨の中や歯ぐきの中に歯全体が埋まってしまっている状態です。
歯医者でレントゲンを撮って、はじめて歯が埋まっていることに気づくことが少なくありません。
不完全埋伏歯とは
歯の一部分が見えている状態をさします。
さまざまな症状を引き起こすのは、不完全埋伏歯の場合が多いのです。
埋伏歯により引き起こされる症状と治療
埋伏歯によって引き起こされる症状には、以下のようなものがあります。
・ほかの歯の芽生えの障害
・歯列の乱れ
・かみ合わせの悪化
・歯髄炎
・歯根膜炎
・埋伏歯の周囲の粘膜や歯槽骨などの炎症
・神経性の疼痛
埋伏歯がどこにも影響をおよぼしていない場合には経過観察が一般的です。
しかし、埋伏歯があることによりお口の中に悪影響をおよぼしている場合には、抜歯をするか、適切な位置に移動させて保存する処置を行います。
ちなみに、2018年の抜歯処置の原因についての調査報告では、埋伏歯の抜歯は5%を占めます。
むし歯、歯周病、破折に次いで多いのが、埋伏歯の抜歯です。
参照:厚生労働省|第2回永久歯の抜歯原因調査(2018)p4 図1 >
埋伏歯の保存方法には、「開窓法」と「牽引誘導法」の2種類があります。
開窓法
埋伏歯が出てこられない原因を除去し、埋伏歯の歯冠を萌出させて、出てくるように促す方法です。
牽引誘導法
開窓法を行っても埋伏歯がそれ以上出てこない場合に行う方法で、強制的に埋伏歯を牽引し、出てくるように促します。
開窓法だけで出てくる場合もあれば、生え方によっては牽引誘導法を複数回行わないと出てこない場合もあります。
埋伏歯の治療はよく歯科へおまかせください
埋伏歯をどのように処置するかは、歯科医院で検査を受けて決めましょう。
埋伏歯に多い親知らずは、奥歯が欠損した際に、欠損した歯の代わりに使用することもできる歯です。
お口全体の状況を把握し、適切な処置を行うことが重要です。
よく歯科の院長は、歯科口腔外科の臨床を数多く経験しています。
親知らずの生え方からくる痛みや埋伏歯だけでなく、お口のお悩みを幅広くご相談いただけます。
気になることがあれば、ぜひご相談ください。