歯周病の予防に歯医者でできること〜定期検診でチェックすべき項目とは

「歯ぐきが腫れている気がする」「最近、歯磨きのときに血が出る」——そんな経験はありませんか?

実は、こうした症状は歯周病のサインである可能性があります。歯周病は初期段階では自覚症状が少なく、気づかないうちに進行してしまうことが多い病気です。進行すると顎の骨が溶かされ、最終的には歯が抜け落ちてしまうこともあります。

大切なのは、「悪くなってから治療する」のではなく、「悪くなる前に予防する」という考え方です。そのために欠かせないのが、歯科医院での定期検診です。今回は、定期検診でチェックされる6つの重要項目と、プロフェッショナルケアの内容を詳しくご説明します。

口腔外科医として17年間、大学病院や総合病院で多くの患者さんと向き合ってきた経験から、歯周病予防の大切さを実感しています。ぜひ最後までお読みください。

こんなお悩みはありませんか?

  • 歯茎から出血があり、歯周病か不安
  • 口臭が気になっているが、どこに相談すればよいかわからない
  • 定期検診で何をチェックするのか知りたい

プライバシーに配慮した環境で、口腔内の状態を丁寧に確認します。お気軽にご来院ください。

歯周病とはどんな病気か——まず基本を押さえましょう

歯周病は、歯ぐきや歯を支える骨が歯周病菌によって炎症を起こす病気です。

初期の段階では「歯肉炎」と呼ばれ、歯ぐきが赤く腫れたり、出血したりします。この段階では、適切なケアで回復できる可能性があります。しかし放置すると「歯周炎」へと進行し、歯を支える骨(歯槽骨)が溶けていきます。最終的には、歯がぐらつき、抜け落ちてしまうこともあります。

さらに見逃せないのが、全身への影響です。歯周病は口の中だけの問題ではありません。誤嚥性肺炎・糖尿病・心疾患・脳疾患など、重篤な全身疾患との関連が明らかになっています。お口の健康が、全身の健康に直結しているのです。

だからこそ、定期的な検診で早期発見・早期対処をすることが、とても重要になります。

定期検診でチェックされる6つの重要項目

歯科医院での定期検診では、歯周病の有無や進行状況を確認するために、複数の項目を系統的にチェックします。以下に、特に重要な6つの項目をご紹介します。

① 歯周ポケットの深さの測定

最も重要な検査のひとつです。

歯周ポケットとは、歯と歯ぐきの境目にある溝のことです。健康な状態では1〜3mm程度ですが、歯周病が進行するにつれてこの溝が深くなっていきます。プローブと呼ばれる細い針状の器具を歯と歯ぐきの間に挿入し、深さを測定します。4mm以上になると歯周病が疑われ、6mm以上になると重度の歯周病と判断されることが多いです。

数値が大きくなるほど、歯を支える骨が溶けているサインです。痛みがないからといって安心はできません。

② 歯肉の出血の確認(BOP検査)

プローブで歯周ポケットを測定した際に、出血があるかどうかを確認します。

健康な歯ぐきは、軽く触れても出血しません。出血がある場合は、歯ぐきに炎症が起きているサインです。この検査を「BOP(Bleeding on Probing)」と呼びます。出血が多い部位は、歯周病が活発に進行している可能性があります。歯磨きのときに血が出るのも、同じ理由です。

③ 歯石の付着状況の確認

歯石は、歯周病を悪化させる大きな原因のひとつです。

歯垢(プラーク)が唾液中のカルシウムと結合して石灰化したものが歯石です。歯石は歯ブラシでは取り除けません。歯石の表面は凸凹しており、そこに歯周病菌が付着しやすくなります。特に歯ぐきの下(歯肉縁下)に付着した歯石は、炎症を持続的に引き起こします。定期検診では、歯石の量と付着部位を詳しく確認します。

④ 歯の動揺度の確認

歯がどれくらい揺れているかを確認する検査です。

健康な歯は、ほとんど動きません。歯周病が進行して歯を支える骨が溶けると、歯がぐらつくようになります。動揺度は0〜3の段階で評価されます。動揺が大きいほど、歯周病の進行が深刻であることを示します。早期に発見することで、歯を残せる可能性が高まります。

⑤ 歯垢(プラーク)の付着状況の確認

毎日の歯磨きで、どれくらい磨き残しがあるかを確認します。

プラーク(歯垢)は、歯周病や虫歯の直接的な原因です。染め出し液を使って歯垢を可視化し、磨き残しの多い部位を特定します。この結果をもとに、患者さん一人ひとりに合ったブラッシング指導を行います。正しい歯磨き習慣を身につけることが、歯周病予防の基本です。

⑥ X線検査(レントゲン)による骨の状態確認

目で見えない部分まで確認できるのが、X線検査です。

歯周病が進行すると、歯を支える顎の骨(歯槽骨)が溶けていきます。この骨の状態は、視診だけでは確認できません。X線撮影によって、骨の吸収の程度や範囲を把握することができます。定期的にX線検査を行うことで、骨の変化を経時的に追うことができ、治療効果の確認にも役立ちます。

定期検診と合わせて行うプロフェッショナルケアの内容

検査だけではありません。定期検診では、プロによるクリーニングも行います。

スケーリング(歯石除去)

スケーラーと呼ばれる専用器具を使い、歯の表面や歯ぐきの下に付着した歯石を取り除きます。歯石は自分では取れません。定期的にスケーリングを受けることで、歯周病菌の温床を除去できます。歯ぐきの炎症が改善され、出血も減っていきます。

PMTC(プロフェッショナル・メカニカル・トゥース・クリーニング)

PMTCとは、専用の機器と研磨剤を使って歯の表面を磨き上げるクリーニングのことです。

歯ブラシでは届きにくい歯と歯の間や、歯ぐきの溝に潜む歯垢・着色汚れを徹底的に除去します。歯の表面がツルツルになることで、歯垢が付きにくくなる効果もあります。口臭の改善にも効果的です。

ブラッシング指導

正しい歯磨きの方法を身につけることは、歯周病予防の根本です。

歯並びや歯周ポケットの深さは人それぞれ異なります。そのため、一人ひとりのお口の状態に合わせたブラッシング方法をお伝えします。歯ブラシの選び方、フロスや歯間ブラシの使い方なども含めて、丁寧にご指導します。

フッ素塗布

歯質を強化し、虫歯を予防するためにフッ素を塗布します。歯周病予防と合わせて、虫歯予防も同時に行えます。

歯茎の状態が気になる方は、まずはご相談を。相談だけでもOKです。

気になる症状を相談する(無理な治療提案なし)

定期検診はどのくらいの頻度で受けるべきか

「どのくらいのペースで通えばいいの?」という質問をよくいただきます。

一般的には、3〜6か月に1回程度の受診が目安とされています。ただし、歯周病のリスクが高い方(糖尿病をお持ちの方・喫煙者・歯並びが複雑な方など)は、1〜2か月に1回程度のペースで受診されることをおすすめします。

また、自治体による歯周病検診は、20歳・30歳・40歳・50歳・60歳・70歳の節目年齢に実施するよう国が推奨しています。しかし、これは10年に1度のペースです。歯周病の予防・早期発見のためには、自治体の検診だけでなく、かかりつけ歯科医での定期検診を継続することが重要です。

定期的な歯科検診を受けることで、歯のトラブルの重症化をほとんど防ぐことができるとされています。放置して治療が必要になると費用も時間もかかります。長期的に見ると、定期検診の継続が最もコストパフォーマンスの高い選択です。

歯周病と全身疾患の深い関係——見逃せない理由

歯周病は、口の中だけの問題ではありません。

歯周病菌が血流に乗って全身に広がることで、さまざまな全身疾患との関連が報告されています。特に注意が必要なのは以下の疾患です。

  • 糖尿病:歯周病と糖尿病は相互に悪化させ合う関係があります。血糖コントロールが難しくなるケースもあります。
  • 心疾患・脳疾患:歯周病菌や炎症物質が血管に影響を与え、動脈硬化を促進する可能性があります。
  • 誤嚥性肺炎:口腔内の細菌が誤って気管に入ることで、肺炎を引き起こすことがあります。特に高齢者では命に関わる場合もあります。

総合病院の歯科口腔外科で長年診療してきた経験から、全身状態と口腔の健康は切り離せないと実感しています。持病をお持ちの方こそ、歯周病の管理が重要です。

この言葉を、ぜひ日々のケアの指針にしてください。

自宅でできる歯周病予防のポイント

定期検診と合わせて、毎日のセルフケアも欠かせません。

正しいブラッシングを習慣にする

歯ブラシは歯と歯ぐきの境目に当て、軽い力で小刻みに動かします。力を入れすぎると歯ぐきを傷つけてしまうので注意が必要です。1本1本丁寧に磨くことを意識してください。

歯間ブラシ・デンタルフロスを活用する

歯ブラシだけでは、歯と歯の間の汚れは6割程度しか取れないといわれています。歯間ブラシやデンタルフロスを使うことで、歯周病の原因となる歯垢を効果的に除去できます。毎日1回、就寝前に使う習慣をつけましょう。

生活習慣の見直し

喫煙は歯周病を悪化させる大きなリスク因子です。また、ストレスや睡眠不足は免疫力を低下させ、歯周病菌に対する抵抗力を弱めます。バランスの良い食事と十分な睡眠も、歯周病予防に効果的です。

「毎日歯磨きしているのに、なぜ歯周病になるの?」と思われる方もいるかもしれません。実は、磨き方や磨けていない部位の問題が多いのです。定期検診でブラッシング指導を受けることで、自分では気づけなかった弱点を改善できます。

よく歯科での歯周病予防・定期検診について

よく歯科では、歯周病の予防と早期発見を重視した定期検診を行っています。

院長である私は、広島大学病院やJA尾道総合病院の歯科口腔外科で17年間にわたり診療を続けてきました。全身状態を把握しながら歯科診療を行うことを得意としており、持病をお持ちの方にも安心して受診していただける環境を整えています。

当院の特徴のひとつは、皮膚科との併設です。口腔内の炎症が関係する掌蹠膿疱症や、金属アレルギーの検査・診断も対応可能です。歯周病治療と全身管理を一体的に行える体制が整っています。

また、より専門的な検査・治療が必要と判断した場合は、連携している高次医療機関へご紹介することも可能です。地域の皆さんが安心して通える歯科医院を目指しています。

  • 診療時間:月・火・水・金 9:30〜13:00 / 14:30〜18:00、土 9:30〜13:00 / 14:30〜17:00
  • 休診日:木曜・日曜・祝日
  • アクセス:福山市松永駅から徒歩13分
  • 電話番号:084-933-1030

土曜日も診療しておりますので、平日にご来院が難しい方もお気軽にご相談ください。

まとめ——定期検診が歯周病予防の最強の武器です

歯周病は、静かに進行する病気です。

自覚症状が出たころには、すでにかなり進行しているケースも少なくありません。だからこそ、定期検診で早期に発見し、適切なケアを続けることが大切です。今回ご紹介した6つのチェック項目——歯周ポケット測定・出血確認・歯石確認・動揺度確認・歯垢確認・X線検査——は、いずれも歯周病の状態を正確に把握するために欠かせない検査です。

3〜6か月に1回の定期検診を習慣にすることで、歯周病の重症化をほぼ防ぐことができます。そして、お口の健康を守ることが、全身の健康を守ることにもつながります。

「まだ痛くないから大丈夫」と思っていませんか?

ぜひ一度、定期検診を受けてみてください。よく歯科では、患者さん一人ひとりのお口の状態に合わせた丁寧な検診とケアを提供しています。お気軽にご来院ください。

▼ 当院の診療内容・ご予約はこちらからご確認いただけます。

よく歯科 診療

歯周病の予防は定期検診から。よく歯科にお任せください

持ち物は保険証とお薬手帳が目安です。検診の内容についても受付でご説明します。

よく歯科に相談する
📞 084-933-1030

受付時間:9:30〜13:00 / 14:30〜18:00

著者情報

院長

伊藤 翼 (いとう よく)

皆さん、こんにちは。
このたび【よく歯科】を開院いたしました、
院長の伊藤 翼(いとう よく)です。

私は大学病院や尾道総合病院にて、17年間口腔外科の治療に携わってきました。
そのため、全身状態を把握しての歯科診療を得意としており、当院でもその経験をもとに、医科の先生方と連携を図りながら、地域の皆さんに高水準の歯科診療をご提供いたします。

また、口腔がんの診査診断・治療の経験も多いので、一般的な歯科医院では難しい症状の判別も行うことができます。
口腔がんは口内炎と間違えて発見が手遅れになることも多いので、大きな病院まで行かなくても早期発見ができるよう細心の注意を払って診療を行います。

お口の健康から、地域の皆さんの身体の健康づくりに貢献できるよう、誠心誠意診療を行ってまいります。
どうぞよろしくお願いいたします。

経歴

  • 2007年3月
    北海道医療大学歯学部歯学科 卒業
  • 2007年4月
    広島大学病院 歯科研修医
  • 2012年4月
    広島大学病院 顎・口腔外科 医員
  • 2015年4月
    JA尾道総合病院 歯科副部長
  • 2022年4月
    JA尾道総合病院 歯科主任部長

資格・所属

  • 広島大学 博士号
  • 歯科研修指導医
  • 日本口腔外科学会 認定医
  • 緩和ケア研修指導医師
 
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